【小説】ぼっちママ探偵:最後の一行まで真実は謎
著者・イラストレーター 南口綾瀬
2021年7月27日 初版発行
発行者 ayacom
「ぼっちママ」とは、子供の親としての役割は果たしつつも、必要以上に親同士の関わりを持たず一人で行動するママの事。それは、人見知りだから、とか、面倒だから、トラウマがあるから、と様々な理由はあれど、それをどうにかしたいと思う人もいれば、その気ままさを自ら望んでいる場合など様々…でもやっぱり一人って寂しい、そんな思いが見え隠れするリアルな思いに共感の嵐!この物語は、「ぼっち」を謳歌しながらも自分のコミュ障ぶりに落ち込む主人公が娘の成美と共にクラスの問題を「探偵ごっこ」で解決していくお話。最後の一行の大どんでん返しをお楽しみに!
あらすじ
シングルマザーで在宅勤務、ついでにぼっちママの主人公は、おひとりさまならぬ「ぼっち」を謳歌していた。唯一の理解者は娘の成美。成美のクラスで起こる困りごとを人知れず解決していく主人公。最後の最後で気づく周囲の気持ち、そして最後の一行できっと読み返したくなる。
感想
「ぼっち」という世界感に共感しかありません。こういう事あるある…という場面がちりばめられていて子供を持つ親がぶち当たる壁や周りとの関わり方など、共感が多く、もどかしくもなり、ホッとしたり、いろんな人に読んでもらいたい作品です。かく言う私も「ぼっち」です。子供の参観日に誰かと待ち合わせて行ったことはないし、行事後にママ友とランチも行ったことがありません(w)ショッピングも一人で行きたいし、映画も牛丼も一人で行きます。社交性のあるキラキラママにどこか憧れてしまう…そんな気持ちもこの物語では嫌味なく描かれていて、それでいて主人公の一人を満喫する姿に心打たれます。子供を想う気持ちや教育、しつけ、問題に対して上手く解決する姿どれもが身近で現実とリンクするのでなんともスッキリする一冊だったと思います。そして最後の一行…ハッとして、主人公や周囲の行動を振り返りたくなります。とても心温まる作品で、何度も読み返したい一冊となりました。
著者について
南口綾瀬(みなみぐち あやせ)
デザイナー 東京都出身・千葉県在住
デザイナー・イラストレーターとして活躍しつつも、小説家として初めての作品「ぼっちママ探偵」を書きあげ個人で出版。
著書に、「針の上で歌う」「主人公はだれだ⁉」がある。
おわりに
登場人物それぞれに物語があり、どれも身近に感じるテーマで進められていくので、共感が止まりません。
著者も「ぼっちママ」なんだそうです。『一緒に快適なぼっちママライフをおくりましょう。中略 近くにいるであろうぼっちママをどうかあたたかく見守ってあげて下さい。』と書かれています。ぜひ、「ぼっちママライフ」楽しみましょう!!
おすすめ記事
コミュ障が気になる人におススメの1冊!「人は話し方が9割」