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「セクシー田中さん」漫画家・芦原妃名子さん死去 実写ドラマ化でトラブルが原因か

「セクシー田中さん」漫画家・芦原妃名子さん死去 実写ドラマ化でトラブルが原因か

2024年1月26日、漫画家の芦原妃名子さんが死去していたことが分かりました。このショッキングなニュースは同月26日に芦原さんのX(旧Twitter)で告白されたテレビ局側とのトラブルと関係があるとの見解が話題となっています。

 

@ashihara_hina

 

漫画家 芦原妃名子さん

漫画家芦原妃名子さんは漫画「砂時計」「Peace」で一躍有名となり、現在「姉系プチコミック」で連載中だった「セクシー田中さん」の作者で小学館漫画賞も受賞する人気漫画家です。「砂時計」と言えば、2007年にTBS系列でドラマ化され人気を博し認知度も急上昇、翌2008年には夏帆さん・松下奈緒さんW主演で映画化もされ、長く愛される作品となっています。原作漫画も島根を舞台とし、作りこまれた内容と綺麗な描画で本当に素敵な作品でした。2024年1月、「セクシー田中さん」の実写ドラマ化においての一連の告白の後、行方不明となり栃木県にて死亡されているのが発見されました。享年50歳。状況より自殺との判断がされています。

漫画「セクシー田中さん」

SHOGAKUKAN COMIC

地味なアラフォー経理部社員の田中さん。しかし田中さんには隠された正体が…同じ会社で働く婚活女子OL朱里は、そんな田中さんの隠された魅力を知り追っかけファンとなる。そんな田中さんを取り巻く個性あふれる登場人物の心模様や現代の問題、女性の生きづらさを描いた主人公が地味なアラフォー女性という新境地を描いた作品!

SHOGAKUKAN COMIC

 

shogakukan-comic.jp

 

実写ドラマ化!

@ntv_tanakasan

昨年10月期の日曜夜10:30~日テレで放送されたドラマで、原作が人気作という事もあり期待の高い作品となっていました。主演に木南晴夏さん、他キャストも魅力的な俳優さんばかり。「セクシー田中さん」というタイトルで多少のコメディ感漂う予想に反し、女性の強さや魅力、生きづらさなどを描いたドラマで元気をもらえました。原作を読んだことはなかったのですが、もちろん原作に興味を持ちましたし、ドラマも最後まで楽しく拝見させて頂いていました。主演の木南晴夏さんの変貌ぶりや田中さんのピュアな面、芯の強いところなどには勇気をもらいましたし、ベリーダンスのシーンでは本当に綺麗でカッコよく引き込まれていきました。生見愛瑠さん演じる朱里の話も大好きでした。(特にサブキャラの展開が大好きなので)現代の女性の抱えるリアルな気持ちや、恋模様にドキドキやきもきして、見逃せなかったですね。このドラマで特に前田公輝さん演じる小西に惹かれました。実は自分に自信がないところを隠すためにチャラく適当に生きてきた感じでも朱里には本音を伝える事ができたり、成長していく姿やまっすぐな気持ちに心打たれました。ですが、やっぱりなんといっても田中さんの魅力は無限大でしたね。気弱になっていたときでも、しっかり周りの意見に耳を傾けられ、励まされる姿も等身大で素敵でした。背筋を伸ばしている田中さんに惹かれた朱里のように視聴者も田中さんのまっすぐさに惹かれていたと思います。笙野のお母さんが突然上京してくる話では、田中さんの魅力が思う存分伝わって大好きなお話でした。ラストは田中さんが夢を追いかけ飛び立っていく展開となりましたが、ドラマオリジナルのラストとは言え、視聴者としては、良かったな、さすが田中さんだな、と元気を貰えました。ありきたりなラブストーリーでもないし、特段すごいトラブルもないけど、日常にスッと溶け込むような勇気を与えてくれる作品だったと思っています。

www.ntv.co.jp

ドラマはHuluにて全話配信されています。

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テレビ局側とのトラブル

芦原さんとドラマ制作局側とのトラブルがあったと発覚したのは芦原さんのXでの告白によるものでした。ドラマ化にあたり、芦原さんサイドはいくつか条件を提出していましたが、そのどれもがほとんど守られず、脚本について折り合いがつかないまま、9、10話の脚本を芦原さん自らが執筆するという事態となっていたことが告白されました。本来、原作がある作品に対してドラマ、映画化される場合は脚本家が映像用に脚本を作り上げる事が主な流れなのだと思いますが、今回の告白によると、制作局側から提出されたのは大幅に改変された展開や人物像があり、原作者の意図を組まれることなく書かれた内容であったなどとされています。芦原さんは本業である漫画(連載中の同作)の締め切りなどもある中でのドラマ化での打ち合わせや脚本執筆など多忙を極めていたことで周囲でも「疲れていたようだ」とされるほど心身ともに疲弊していたことと思います。「今からでもドラマ化をやめたいぐらい」と周囲に漏らすほど、局側から提出された脚本は意図するものと異なり、加筆修正を余儀なくされていたとのことです。また、打ち合わせについても、芦原さんはドラマプロデューサーとしか話すことができず、脚本家や制作側との意思疎通が叶わない状態であったこともコメントされています。特に8~10話はドラマオリジナルの展開となっていたので、原作者としては今後の連載にも影響が出る重要な問題であったと予想されますので、特に脚本にあたっては慎重を期すことだったと思われます。制作サイドはドラマ公式サイトで以下のようにコメントを出しています。

芦原妃名子さんの訃報に接し哀悼の意を表するとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。2023年10月期の日曜ドラマ「セクシー田中さん」につきまし日本テレビは映像化の提案に際し、原作代理人である小学館を通じて原作者である芦原さんのご意見をいただきながら脚本制作作業の話し合いを重ね、最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております。本作品の制作にご尽力いただいた芦原さんには感謝しております。

セクシー田中さん|日本テレビより引用

制作サイドの意図や、事実がどうであったのかは測りかねますが、今回の告白によりドラマ制作においての問題点が露呈した形にもなりました。事実、原作に忠実な素晴らしい作品もたくさんある中、展開や世界観に疑問の残る作品も過去にはあったと思います。それらを踏まえ、今回の騒動を機に今後のドラマ、映画作品において一層の配慮やコンプライアンス、原作者や原作ファン、制作サイドにおいての良き解決案がなされることを願ってやみません。

また、この一連の騒動で批判されたテレビ局、脚本家さん、著名人がおられますが、芦原さんの望んだ結果では無いのだと思います。もちろん、辛い思いをされたことを隠された状態では世の中にとっても良くない事です。原作者の意図やファンを侮辱したまま映像化されることが当たり前ではありませんので、折り合いの付かないまま犠牲を払いながらという流れがなくなって欲しいという思いを届けてくれた芦原さんのお気持ちを尊重し、より良いエンターテイメントを残していって欲しいと思います。

 

twitter.com

 

現在一連のコメントはすべて削除されています。

@ashihara_hina



 

原作のある作品の実写化について

原作のある作品を実写ドラマ化、映画化するにあたってはたくさんの問題があることは容易に想像できます。原作者の思いや原作ファンの思いはもちろん、制作側にもたくさんの制約や条件があり一筋縄ではいかないものなのだと思います。視聴者が賛否両論繰り広げるのとはまた違った視点で紆余曲折あり、ようやく納得のいく作品が出来上がる…中には原作者には納得のいかない展開もあるのだと思います。様々な制約、コンプライアンス、世界情勢、映像化には難しいシーンの試行錯誤など、だれにとっても完璧というものは中々ないのだろうと思います。しかし、実写化されることでより原作に興味を持つ人が増えたり、原作ファンにとっても、映像化されることでより理解を深める事ができるなど良い点はあり、力をいれて制作してくださることは視聴者にとってとてもうれしい事だと思います。逆に、原作の世界観を壊し、キャストの問題やコンプラ的にNGな面なども、課題は山積みという事もあり賛否両論が巻き起こります。

 

おわりに

賛否両論は見る側の関心によるところではあるので、今回のように原作者を制作側とで折り合いがつかず、原作者が心を痛めていたという衝撃的な告白は稀で、業界の隠されていた闇の一つでもあるのかと思ってしまいます。この告白によって制作側への批判の声が多く上がっていますが、芦原さんはそのことについても責任を感じ「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」というコメントを残されています。この言葉に寄り添う事が何より大切なのでは、と感じました。芦原さんは怒りをぶちまけたいだけではなかったのだと思いますし、発言する事で守りたい気持ちがあっただけなのだと思います。たしかに、この告白で制作局側が批判されることは想像の範囲内ではないかという点では、戦う気持ちがなかったわけではないかもしれませんが、誰しも傷ついた事や正したい事は発言したくなりますよね。制作局側の意図や真相は分かりません。芦原さんの気持ちも今となっては分からず、何が引き金となったのか、勝手な憶測で発言することは避けたいものです。しかし、こういった告白があった事を踏まえ、事実はどうなのかという明らかにして欲しい事や、これからの制作にあたってどのような方針でいるのかなどの公表、未来のドラマに期待できるような見解を聞けることと望みます。