「人は話し方が9割」
著者 永松茂久
株式会社すばる舎
2021年12月28日 初版発行
話すのが苦手…軽〜くコミュ障でもなんとかやってこれたけど。どうしても初対面の人との会話が難しい…緊張し過ぎて変な話題をぶっ込んでしまって後から後悔するのは日常茶飯事です。さらに慣れているはずの人との会話ですら、たどたどしく、どもってしまう事も。いい大人がこんなんじゃ恥ずかしい!?そんな思いで手に取った本書。さて、どんな話し方のコツが書かれているのでしょう。
どんな本?
話し方をちょっと変えるだけで、仕事もプライベートも大きく好転します♪
この本では、芸人さんやアナウンサーのように流暢に話せる人や、会社のプレゼンでうまく話せるようになるといったものではなく、もっと日常的な人間関係における会話力について書かれています。セクションごとに”100%好かれる話し方のコツ”を紹介してくれていて、内容もイラストでまとめたものが載っているのでどんな人にも理解できる内容となっています。また著者の体験による具体的なエピソードなどを交えてイメージしやすくなっているのも特徴。納得して読んでいけるのでスッと心に響きます。
感想
まず、話し方についての本で何を教えてくれるのだろう?と思っていましたが、なるほどと思う事がたくさんあり、感心しました。ほんのわずかな事を意識するだけで、会話が弾むという事を学ばせて頂きました。特に、相手が話していても主導権はこちらにある、という言葉にハッとしました。これは、誰もが自分のことを話したいと思う一面から、我が我がとなるところを、聞き上手に徹し相手から会話をどんどん引き出しまた話したいと思ってもらう事で話し上手な人になるという事です。一方的に喋りまくって引かれてしまってはもったいない。しかし、なにも話さないのは気まずい。それなら相手に気持ちよくしゃべって貰って、会話を弾ませるのです。そこで自分が会話を引き出して主導していると思えれば、我が我がとならずに済みます。この本で学んだことは本当にたくさんありました。著者の具体的な例でわかりやすく解説されているので、難しいことはありません。すべてのことに納得ができるのですぐに実践したくなります。「拡張話法」という手法も紹介されています。これは、相手の話をうまく引き出す事を目的としていて、拡張話法には順番があるのです。
感嘆→反復→共感→称賛→質問
そして、感嘆の時の語尾には絵文字を付けるような気持ちで思いを込めるとうまく伝わると書かれています。共感こそが相手の一番求めていることなので、そこから会話を広げていけると良い会話ができるとの事でした。さらに、人は「笑わせてくれる人」より、「一緒に笑ってくれる人」が好き。という言葉もしっくり来ました。一緒に笑ってくれる人は心地よいですよね。なるほどと思う事がたくさんなので、ぜひ読んでみて欲しいと思います。
著者について
永松茂久(ながまつ しげひさ)
株式会社人材育成JAPAN代表取締役。大分県中津市生まれ。2001年にわずか3坪のたこ焼きの行商から事業をスタートさせ、2003年に開店した”ダイニング陽なた家”は口コミだけで県外からも1万人来店する大人気店に。現在は、執筆だけでなく、次世代育成、出版コンサルティング、イベント主催、映像編集、ブランディングプロデュースなど様々な事業を展開する実業家。
おわりに
話し方や会話力について何かしら悩みを抱えている人は少なくないと思います。人前で話をするのは苦手だという人や、つい失言して相手を怒らせてしまった経験のある人、沈黙が苦手でペラペラと一方的に話し続けてしまう人も、”会話”という日常生活に欠かせないコミュニケーションが上手くいかないことは、様々な事で影響が出てしまいます。私が一番会話で困ってしまうのは、質問されたことに上手く答えられず思考が一時停止してしまう事。自分の考えがまとまらない事が問題だと感じています。それでも、上手く話そうとしなくても良い、「じっくり言葉を選びながら、自分のペースで話す」という言葉で少し救われました。気持ちを込めて話すことの方が相手には伝わるという事がこの悩みを改善するポイントだと思ったのです。他にも様々な使えるコツが書いてあり、読み返し、実践しちょっとしたコミュ障も改善していけたらな、と思います!
お悩みの方はぜひ一度読んでみて下さい。