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【小説】「いなくなれ、群青」”階段島”シリーズ1作目!ここから始まる青春ミステリから目が離せない!

【小説】「いなくなれ、群青」

新潮社



 

著者 河野裕

2014年9月1日 発行

2019年8月30日 18刷

発行 新潮社

 

 

あらすじ

" 階段島"どこにあるのか誰も知らない、この島から出るためには「失くしたもの」を見つけるしかない。そんな奇妙な島に突然連れてこられたものの、平穏な日常を過ごしていた七草。彼はこの島では最も会いたくなかった人物、真辺由宇と再会する。2年間離れていた彼女との再会は七草の日常を変えていき、この島の謎に向き合ったとき、残酷な真実に辿り着く。

 

階段島のルール

  • 島から出る事はできない。(失くしたものを見つけるまで)
  • 通信手段は使えない。(スマホはインターネットの閲覧はできるし、ネットショップも使えるがメッセージを送信したり電話を掛けることはできない。)
  • 学生は学校に通い、寮で暮らす。大人は仕事を持つことができる。(店や病院、郵便局などもある。)
  • 衣食住に困る事はないが、お金が欲しければアルバイトもある。
  • 島は魔女に管理されている。失くしたものが見つかったら”遺失物係”へ報告する。

感想

不思議な物語、というのが最初の印象でした。「捨てられた人」というのも、島から出られないというのも不思議で、でもそこで暮らす人々は何不自由なく平穏に暮らしているのです。監禁されてひどい仕打ちを受けている訳でも労働を強いられている訳でもなく、ただそこで暮らしているのです。ただ、島から出ることはできない…という、他の物語では無かった内容に引き込まれました。なぜ島に連れてこられたの?なぜ出られないの?もしかしたら夢オチ?と勘繰りながらも読み進めていくと、終盤に謎が解け納得できたような不思議なような…といった感じで、これが続編のあるシリーズ物であることに救われました(w)魔女という登場人物のおかげでSF感は残されながらも、そこにある物語は少年少女の心の問題であり、不思議な世界観のミステリです。この1冊の結末として概ね納得はできたのですが、これからどうなるのか?といったわくわくも残してくれる素敵な作品でした。青春を過ごす子供たちにもおススメしたい1冊となっています。残念ながらシリーズ物と知らずにこの1冊のみを購入していたので続きが気になるところではありますが、これから買いそろえていきたいと思います。

 

主な登場人物

七草

高校1年の8月、階段島に連れて来られた悲観主義な少年。

真辺由宇

七草の小学生の頃からの友人。夢想家で理想主義。真っ直ぐ過ぎる性格ゆえ周囲に馴染めない。11月階段島に連れてこられた。

佐々岡

イヤホンで常にゲームミュージックを聴いている快活な少年。七草と同じ寮で暮らしている。

委員長(水谷)

七草たちのクラスの委員長で背の低い女の子。模範的な委員長として七草たち(転校生)の面倒を見ている。

背の高い目つきの悪い女の子。話すのが苦手でいつもうつむいている。毎週末、七草たちに長文の手紙を送ってくる。

トクメ先生

七草たちの担任の先生。学校恐怖症で、いつも仮面を被っている。島に新しく来た人に島についての説明をする。

相原大地

階段島に連れてこられた小学二年生の男の子。帰りたくはないと言う。

一〇〇万回生きた猫

話す相手によってキャラクターを演じ分ける虚言癖のある青年。七草の前では一〇〇万回生きた猫だが、彼がいないところでは皆「ナドさん」と呼んでいる。誌的で不思議な青年。

階段島

二〇〇〇人ほどが暮らしている魔女に管理された地図にも載っていない島。「捨てられた人」達が連れてこられて、脱出することは不可能。島に来る直前の記憶は消されている。ここでは生活に困ることは無いが、出るためには「失くしたもの」を見つけなければいけない。

魔女

魔法によって階段島に「捨てられた人」達を連れてくる。山の上の館に住んでいるとの噂だが誰も会ったことはない。

階段島シリーズ

  1. いなくなれ、群青(大学読書人大賞受賞)第一作目
  2. その白さえ嘘だとしても
  3. 汚れた赤を恋と呼ぶんだ
  4. 凶器は壊れた黒の叫び
  5. 夜空の呪いに色はない
  6. きみの世界に、青が鳴る(シリーズ完結作)

 

実写映画化

2019年9月映画化。横浜流星、飯豊まりえW主演!

 

 

『いなくなれ、群青」

ぜひ、読んでみて下さい!この不思議な青春ミステリの世界観にきっと没頭するはず!映画を観た方でも、より理解が深まると思いますのでおススメです!

 

 

 

 

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