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主婦の のんびりレビューブログです。

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『変な家』※怖くて寝れなくなったからレビューしたい・・・個人の感想です。

『変な家』

変な家 | 株式会社 飛鳥新社

2021年7月27日 第1刷発行

2024年3月31日 第45刷発行

 

著者 雨穴

発行 株式会社 飛鳥新社

 

話題沸騰のこの作品をついに読むことができました!個人的に思ってた10倍怖かったのでレビューさせて頂きます!

※ネタバレを含む可能性がありますので、まだ読まれていない方はご承知おきくださいませ。

 

 

『変な家』とは?

ある一つの奇妙な間取り図。その奇妙な間取りには恐ろしい「真実」が隠されていたのです。一見しただけでは分からない、平凡な間取り図。しかし注意深く見てみるといくつかの不可解な点が見えてきます…。謎の空間、窓のない部屋…その謎を解くべく設計士でミステリー愛好家の栗原と組んだ筆者は、ある憶測から一つの真実へとたどり着く…。

【不動産ミステリー】変な家 | オモコロ

 

感想

映画化で話題となった本作。気にはなっていましたがホラーは苦手で、映画も観られてはいません…。しかしこれだけ話題なのだから気にならない訳ない!という事で、本屋さんに出向いてみますと、やはり話題と言うだけあって特設コーナーが設けてあります。この「変な家」の他、「変な絵」という本も出ていましたね。他にも漫画バージョンだったり、映画ノベライズの文庫本だったりと、豊富なラインナップが人気を伺えます。今回は、こちらの「変な家」と「変な絵」を購入し読んでみましたが、不気味なのと怖ろしいのとで、予想の10倍以上心に残ったのでその日はお風呂に入るのも寝るのも怖くなってしまいました(笑)感想としては、一言「不気味」。まさかこんな結末が待っているとは思いもせず、単に変な間取りを紹介して不思議だね~で終わるものだと思っていました。巻頭、黒地のページに白い線で描かれた間取り図が不気味さを演出しこれから始まる物語を盛り上げています。”筆者”とされるオカルト専門のフリーライターが知人から不可解な点のある間取り図を見せられるところから始まります。筆者の知人で設計士の栗原さんはミステリー愛好家でもあり、この手の話にはうってつけだと謎を解明するため協力を仰ぐことになります。そしてこの間取り図を見た栗原さんはある憶測を語り始めるのでした…。その憶測が恐ろしく事実だとしたならこれほど恐いことは無い、と思われました。そんな中、この件を記事にすると「この間取りに心当たりがある」と言う謎の女性が現れます。この女性の登場で一気にあの間取りについての憶測に真実味が帯びてくるのですが、現実離れした内容に「まさか…」と思いつつも、読み進める手は止まりませんでした。悲しい真実と理解しがたい現実に動揺してしまいます。中でも私が一番ゾッとしたのが、「子供は二人いる」という考察。これはかなり本の内容に食い込んだ考察になるのでネタバレになってしまうという点で詳しくは書かないのですが、間取りの”子供部屋”は誰のための部屋だったのか?という謎についての憶測が現実味を帯びてくる証言を手に入れてしまうんです。人物像と家を現実的に思い描いてしまうと、お風呂に入るのも寝るのも怖なってしまいます。窓がない子供部屋…備え付けのトイレ、謎の空間…そしてその家が建てられた背景にその家族の歴史…すべてが繋がった時のゾッとする感覚は他のどんな作品でも味わったことはありませんでした。実写映画とは少し違った結末だとの噂ですので、映画を観た方も、まだ観ていない方も、本作をお楽しみいただきたいと思います。

実写映画化

2024年3月15日公開 『変な家』

主演に間宮正太郎さん、共に謎を解き明かしていく「栗原さん」には佐藤次郎さん、そしてこの間取りに心当たりがあるという謎の女性を川栄李奈さんが演じられています。

 

youtu.be

映画『変な家』公式サイト

 

作者について

雨穴(うけつ)

インターネットを中心に活躍するホラー作家。webライター、YouTuberとしても活動している。オカルトを中心としたYouTubeチャンネルを運営していて、白い仮面をつけ全身黒タイツという不思議な姿が不気味さを増幅させています。

雨穴 - YouTube

 

著者の書籍

変な家

違和感のある間取り図、その間取りの秘密は怖ろしい真実が隠されていた…。

変な家2

11軒の変な家。無関係のように見える家に奇妙な繋がりが浮かび上がる…。

変な絵

9枚の絵に隠された真実とは。怖ろしい結末に震え上がる…。

 

おわりに

衝撃の結末に夜も眠れない…!!とは大げさかもしれませんが、こんな内容のお話だとは予想もしなかったので恐ろしくて不気味で、ここ数年のホラーで一番心に残った作品かもしれません。完全なるフィクションのお話ではありますが、実際に描かれた手書きの間取り図が本の中には登場していてそれがリアリティを出していて、作中の人物像がより鮮明に思い描けてしまうのが恐ろしく、実際にあったのではないかと思わせるほど作りこまれた設定に心の底からゾッとしました。随所に登場する間取り図の解説図や手書きの間取り図、解説などがより理解を手助けするので、不気味さが増します。完全にこの作者「雨穴」さんの策略にハマっていますね。怖いのに見たい!さらに「変な家2」も出ているので随時レビューしていきたいと思います!