「君の瞳が問いかけている」
ノベライズ本
著者 沢木まひろ
脚本 登米祐一
2020年9月18日 第1刷発行
映画
2020年10月23日roadshow
監督 三木孝浩
主題歌 BTS「Your eyes tell」
この作品、告知やらCMで映画上映の話は耳にしていた。横浜流星さんがなんかキックボクシングとかやって、吉高由里子さんが目が見えないヒロインで…と、そんな前情報のみ。他のキャストやあらすじも知らない、そんな状態で、このタイトルを見てそんな映画あったなと思い出したので読んでみようと手に取りました。映画のノベライズ。どうせ美人とイケメンの王道のラブストーリーでしょ、なんてちょっと斜に構えていました。しかし…もうこれはお気に入りの何度も読み返す文庫本のレパートリーに仲間入り。丁寧にブックカバーを掛けたいと思います。(w
もう有名すぎて、説明もいらないほどではないかと思われますが、ここまでも同じように作品を紹介してきましたのでさせて下さい。
あらすじ
不慮の事故で、両目の視力と両親を失うも明るく前向きな明香里と、罪を犯しキックボクサーとしての夢を絶たれた塁。二人は惹かれあい幸せな日々を過ごすが、明香里の過去の事故について、塁だけが気付いた残酷な因果…。逃れられない過去と、闇の力で引き裂かれる二人が行きつくのはどんな未来か。
映画キャスト
柏木明香里…吉高由里子
篠崎塁…横浜流星
原田陣…やべきょうすけ
佐久間恭介…町田啓太
大浦美恵子(シスター)…風吹ジュン
ノベライズ本 感想
巻頭にカラー写真ページがあります。映画のワンシーン。それはどれも綺麗で、切なくて。塁と明香里、二人の視点で語られるそれぞれの気持ち。初めの出会いは明香里の目が見えないことで起こる偶然でした。明香里は塁の事を「おじさん」と呼び、苦労をしてきた四、五十のバツイチだと思い込んでいます。それを否定せず、塁の仕事場であるビルの管理人室に毎週ドラマを見に寄る明香里を待っているのでした。二人は徐々に距離を縮めていき、あるトラブルをきっかけに互いに大切な存在であると気づきます。不器用な塁、真っすぐな明香里、二人の温かな時間は読み進めるに従ってほっこりさせてくれる時間でした。この温かな時間が奪われていく様はまさに真っ暗な闇へ進んでいくようでハラハラさせられました。一緒に過ごした時間が輝いていたからこそ、その先に待ち受ける困難がこんなにも暗く重く辛くなっていくのだと感じさせました。何より明香里を想って下した塁の決断に胸が苦しくてたまりません。衝撃の過去や自分の罪を一人で背負い愛する人に光を与えた塁はとても強く優しく、切なく。そして、どんな状況にも強く明るく進んでいく明香里を素敵だと思います。こんな二人が幸せになれない未来なんてあってはならないと思うのです。未来を語る塁、明香里それぞれの想いが交わる事を願ってやまない、そんな作品でした。
【映画ノベライズ】きみの瞳が問いかけている (宝島社文庫) [ 沢木 まひろ ]
映画 感想
まずキャストが素晴らしい。映画を観る前(キャストも知らない状態)に本を読んでいたのでイメージは主演のお二人のみでしたが、絶対「陣さん」はやべきょうすけさんしかいないと感じていたらまさに!(w そして町田啓太さんが恭介役というのも!ピッタリ。何より、吉高由里子さんが綺麗で、横浜流星さんはカッコいい。なんというキャストでしょう。キャストもさることながら、物語が本当に切なく怖く、美しく…
管理人室で椅子を並べて二人でドラマを鑑賞する場面での、明香里が塁をおじさんと決めつけるところでの塁の驚いた顔が何とも言えない可愛らしい表情で、そうかと思えばキックボクシングの試合で見せる目つきの鋭さや陰のある表情には圧倒され、横浜流星ファンにはたまらない映像ではないでしょうか。無邪気な笑顔を見せる明香里にドキドキさせられ、「生きていくためなの…」という言葉に胸が詰まり、二人の幸せな時間がいつまでも続いて欲しいと思わされるシーンの数々は心に残ります。映画では二人がどう思っているのか、表情のみで捉える事になりますので、ノベライズで楽しめるのは理解が深まるのでおススメ。不器用な塁、無邪気だけどしっかりした明香里、ぜひ二人の幸せを願いましょう!
そして監督は、『アオハライド』『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』などを手掛けた三木孝浩監督、主題歌BTS「Your eyes tell」という豪華さ。大人の純愛ストーリーで温まりました。
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【公式】本予告
主題歌「Your eyes tell」特別映像