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家族の形・絆を描いたドラマ 『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』

『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』

https://x.com/1840_tbs

ちょうど1年前のTBS火曜ドラマ22時に放送されていました『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』深田恭子さん&福原遥さんのW主演という華々しいキャストでどんなストーリーかと思えば、18歳で妊娠&出産するシングルマザーとそんな彼女の才能と将来を応援するお節介なアラフォーキャリアウーマンの家族でも友人でも恋人でもない、でもそばにいる…年の差を超えた絆。そんな支え合う二人の女性の物語です。

これも今ニューノーマルになりつつある”新しい家族のカタチ”の一つを描いたドラマでしたね。家族という枠組みがなければいけないのか?家族でなければおかしいのか?誰が支えたっていいじゃないか、といったような新しい価値観を見せつけてくれたドラマ。もちろん初めから視聴させていただいていました。何より設定が面白いと感じたのはもちろん、深田恭子さんは世代的にも女性の憧れの象徴でしたし、福原遥さんはクックルンから応援してます(古い)可愛いですよね、透明感がピカイチ。

ゆるキャン△ファンでもありますのでもちろん実写版ゆるキャン△の志摩リン役はハマり役で大好きでした。

ゆるキャン△のレビュー記事はこちら

深田恭子さんの作品では「to Heart」が大好きなドラマでした。「初めて恋をした日に読む話」もリアタイでは見られませんでしたが一気見した作品。

 

さて、ドラマの方のあらすじから。

18歳の仲川有栖はアートが大好きで”キュレーター”になるという幼い頃からの夢を叶えるべく大学に入学。しかし、大学に入学が決まってから妊娠していることがわかりました。彼氏である麻生康介にそのことを告げると、話し合いには現れず、代わりに母親が現れ中絶を要求。有栖は一人で産み育てることを決意したのでした。しかし、大学へ入学したばかり、学びたいことも叶えたい夢もある有栖は悩み、お金の心配からも無理をしてしまいます。ついに体が悲鳴を上げ、倒れてしまった有栖を迎えに来たのは、バイト先のカフェの親会社に務めるアートスペシャリストの成瀬瞳子でした。妊娠していることを偶然知ってから何かと気にかけて様子を見ていたのでした。無理をする有栖を叱り、半ば強引に自分のクラスマンションへ住まわせることに。

やがて有栖は無事に子供を産み、瞳子に助けられながら、共に慣れない子育てに奮闘しながら勉強にも励んでいきます。初めは反対していた有栖の父親もすっかり強い味方となり、瞳子の母にも母親として学びをもらい、大学の先輩である黒澤祐馬と楽しい時間を過ごしていました。家族でも友人でも恋人でもない年の差を超えた絆が結んだ関係の中でそれぞれが描いた未来とはー。

 

このドラマでの印象は”普通”の関係性・肩書きがなくても、支え合える人と一緒に過ごすことは素敵で、こんな風に築いていけたならもっと良い世界なのに…と感じました。

お節介で真っ直ぐな女性、夢を追いかける芯のある女性、周りにはそんな彼女たちを愛する人達。困難があっても、助け合いながら励まし合いながら、時にぶつかりながらも思いやって過ごしていける絆に感動し応援していました。

まだ18歳という若さ、夢も希望も諦めかけてそれでも一人子供を産んで育てていこうと決心したことに不条理を感じながらもリアリティのある話題だと思いました。現実に、若い女性が自身の夢を諦めることを余儀なくされることも、望まない妊娠によって苦しむこともあって、どの時代にも描かれてきた話題です。しかしこのドラマでの主人公・有栖は瞳子との出会いで夢を諦めずにいられたのです。そして産後の大変さを描き、「育休」を取る瞳子の姿に思わずホロっとします。また、有栖とお付き合いしていた子供の父親・康介の描かれ方も素晴らしかったと思います。有栖の妊娠が分かり、母親に泣きついて逃げ出す最低な男でしたが、有栖が子供を一人で産んでいたという事実を知って真っ先に留学先から帰国し、有栖に会いにきたのです。情けない男だと思いますが、これがリアルなのかとも思い知らされました。そんな最低な康介が有栖と子供と向き合い、両親と向き合ったことで成長し、子供のためにと働き始めるのでした。そんな姿を描いてくれて良かったと感じますし、やっぱり成長過程の若いカップルのリアルに胸が詰まる思いでしたね。

そんな二人の女性についてのドラマでしたが、私が個人的に一番泣いてしまったシーンが、瞳子の親友で有栖の産婦人科の主治医・柴崎薫(役:松本若菜)が今までしてきた不妊治療を終わりにする、と瞳子に報告するシーンです。ナイーブな話題であり、ドラマとしても40代の女性がぶつかる問題を取り上げてきただけにリアルな会話で、表情も演技力も松本若菜さんが輝いていました。このシーンは忘れられませんね。

https://topics.tbs.co.jp/article/detail/?id=19106

 

そんな松本若菜さんが主演を務める今期注目のドラマ『西園寺さんは家事をしない』は絶賛放送中で私も毎週リアタイ視聴でレビューさせて頂いていいます。『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』から5クール連続のドラマ出演の松本さんはなんと10月からのフジテレビ系新ドラマ『わたしの宝物』での主演が決まっているそうです!!

西園寺さんは松本さん自身と重なることが多かったそうですが、一転”悪女”を演じることでまた新しい一面が見られそうです。フジテレビ系では『やんごとなき一族』での「松本劇場」と話題にもなったあの独壇場。新しい役どころではどんな「松本劇場」になるのでしょう。

 

さて、今回この『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』を取り上げた経緯にも『西園寺さんは家事をしない』が関係しています。そう、『西園寺さんー』もまた、新しい家族のカタチをテーマにしていました。ラブコメなのでラブストーリー要素が強くなってまいりましたが、これまでのストーリーで、支え合う関係に新しい価値観「偽家族」をねじ込んでくれました。面白く新しい展開で個人的にはこの関係性に期待していたところがありましたので『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』のような”年の差を超えた絆”を描いたドラマを思い出し、やはりこういった新しい価値観を受け入れていける世の中に憧れを持ってしまうのです。これまでも、異質な家族の形を描いたドラマや作品は多数あり、どれもそれぞれの結末でしっくりくるのですが、基本的には家族ってこういうもの!という価値観の上で描かれることが多いように感じます。もちろんそういった普通の幸せが安心です。しかし、普通って予想以上に難しいということも感じます。ドラマのような幸せな家族、ドラマのような普通じゃないけど幸せな家族、どんな形でも存在して良いじゃないか、といった価値観が広まれば良いのになと感じるのでした。

今期のドラマでは『海のはじまり』が注目を集めていますね。こちらも、元恋人が産んでいた自分の子供と対峙しさらに現在の恋人との関係など難しいテーマを取り上げています。どんな結末を選ぶのか、登場人物それぞれの気持ちに多くの反響が集まり、また違った点での家族の答えが見えてくるのでしょう。

 

今期のドラマに注目しつつ、これまでの良い作品についても取り上げて行けたらと思います。

 

『西園寺さんは家事をしない』第1話 レビューはこちらから!!

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